【コンプラ意識調査 2025 Vol.1】内部告発だけではない、社員の意識が危険信号? 約5割が昨今の企業の不祥事に関心がないと回答、約7割が自社のコンプライアンス意識に変化が見られないと回答 ~従業員725名が明かす”コンプライアンス意識”の実態~
株式会社KiteRa(代表取締役社長CEO:植松隆史、本社:東京都港区)は、「安心して働ける世界をつくる」をミッションに掲げ、社内規程DXサービス「KiteRa Biz(キテラビズ)」と社労士向けサービス「KiteRa Pro(キテラプロ)」を提供しています。この度、企業におけるコンプライアンスの重要性が高まる中、従業員725名を対象に『従業員のコンプライアンス違反に関する意識調査』を実施しました。
企業のコンプライアンス違反の実態を多角的に把握することを目的とし、3つの段階に分けて調査結果を公開します。本調査では、第1回として従業員が抱えるコンプライアンス意識の実態や課題を浮き彫りにし企業にもたらすリスクを明らかにします。

調査結果サマリー
- 昨今の企業の不祥事に関して50.6%が「関心なし」。企業規模が大きくなるほど意識変容、1,000人超企業は関心度が顕著に上昇
- 最も深刻な問題は「コンプライアンス意識の欠如」にあると考えているのは41.7%
- 74.6%が、昨今の企業の不祥事を受けて、自社のコンプライアンスに関する “意識の変化はない” と回答。規模で二分化、1,000名超企業では半数近くが「変化あり」と回答、コンプライアンス意識に顕著な温度差
- コンプライアンス(法令遵守)の理解度において、「ほぼ理解しているが、詳細な部分に不安がある」が最多
- 46.6%から、自社のコンプライアンス方針や行動規範を「知らない」との声
- 自社のコンプライアンスリスク、約半数(48.9%)が「理解していない」
- 自社でコンプライアンスを重視する文化が “根付いていない” と思っているのは45.4%
- 63.0%が、自社の経営層および上司はコンプライアンスを重視して “行動していない” と感じている
- 仕事の多忙さ、69.2%がルール違反をした経験、もしくは見逃した経験あり。51~100名規模では8割超(81.8%)
調査結果
Q1. 昨今の企業の不祥事に関して50.6%が「関心なし」。企業規模が大きくなるほど意識変容、1,000人超企業は関心度が顕著に上昇
「昨今の企業の不祥事における関心度合いを教えてください。(単一回答)」と聞いたところ、回答数が多い順に「関心がある」が38.3%、「あまり関心がない」が33.5%、「全く関心がない」が17.1%、「とても関心がある」11.0%という結果となりました。

回答数725件
- 関心がある:38.3%
- あまり関心がない:33.5%
- 全く関心がない:17.1%
- とても関心がある:11.0%
さらに、企業規模別に実態を見てみると、「関心がない(あまり関心がない、全く関心がない)」と答えた割合に大きな差が見られました。
100名以下の企業規模では57.9%が「関心がない」、1,001名以上の企業規模では37.9%が「関心がない」と回答しました。両者間で20ポイントの乖離が見られ、企業規模が大きくなるほど、企業の不祥事への関心度が高まる傾向が示唆される結果となりました。

回答数363件 ※企業規模:〜100名
- あまり関心がない:39.4%
- 関心がある:35.5%
- 全く関心がない:18.5%
- とても関心がある:6.6%
回答数209件 ※企業規模:101〜1,000名
- 関心がある:39.2%
- あまり関心がない:28.7%
- 全く関心がない:18.7%
- とても関心がある:13.4%
回答数153件 ※企業規模:1,001名〜
- 関心がある:43.8%
- あまり関心がない:26.1%
- とても関心がある:18.3%
- 全く関心がない:11.8%
Q2. 最も深刻な問題は「コンプライアンス意識の欠如」にあると考えているのは41.7%
「昨今の企業の不祥事における発生原因について、最も深刻な問題はどこにあるとお考えですか。(単一回答)」と聞いたところ、最も多かったのは「コンプライアンス意識の欠如」が41.7%、次いで「内部通報制度の不備」が15.6%、さらに「組織文化とリーダーシップの欠如」、「社員教育の不足」が14.5%という結果となりました。

回答数725件
- コンプライアンス意識の欠如:41.7%
- 内部通報制度の不備:15.6%
- 組織文化とリーダーシップの欠如:14.5%
- 社員教育の不足:14.5%
- 短期的な業績重視と報酬制度:13.2%
- その他:0.6%
Q3. 74.6%が、昨今の企業の不祥事を受けて、自社のコンプライアンスに関する “意識の変化はない” と回答。規模で二分化、1,000名超企業では半数近くが「変化あり」と回答、コンプライアンス意識に顕著な温度差
「昨今の企業の不祥事を受けて、貴社ではコンプライアンスに関する意識の変化はありましたか。(単一回答)」と聞いたところ、「いいえ」が74.6%、「はい」が25.4%という結果となりました。

回答数725件
- いいえ:74.6%
- はい:25.4%
さらに、企業規模別に実態を見てみると、「いいえ」と答えた割合に顕著な差が見られました。
100名以下の企業規模では84.8%が「いいえ」、1,001名以上の企業規模では54.9%が「いいえ」と回答しました。両者間で29.9ポイントの乖離が見られ、企業規模が大きくなるほど、コンプライアンスに関する意識の変化が見られる傾向が明確に示されました。

回答数363件 ※企業規模:〜100名
- いいえ:84.8%
- はい:15.2%
回答数209件 ※企業規模:101〜1,000名
- いいえ:71.3%
- はい:28.7%
回答数153件 ※企業規模:1,001名〜
- いいえ:54.9%
- はい:45.1%
Q4. コンプライアンス(法令遵守)の理解度において、「ほぼ理解しているが、詳細な部分に不安がある」が最多
「コンプライアンス(法令遵守)の意味を正しく理解していますか。(単一回答)」と聞いたところ、「はい(ほぼ理解しているが、詳細な部分に不安がある)」が37.4%、「いいえ(理解しているつもりだが、具体的な対応に不安がある)」が29.5%、「いいえ(理解が不十分で、実務に活かせていない)」が25.5%、「はい(完全に理解しており、実務に活かしている)」が7.6%という結果となりました。

回答数725件
- はい(ほぼ理解しているが、詳細な部分に不安がある):37.4%
- いいえ(理解しているつもりだが、具体的な対応に不安がある):29.5%
- いいえ(理解が不十分で、実務に活かせていない):25.5%
- はい(完全に理解しており、実務に活かしている):7.6%
Q5. 46.6%から、自社のコンプライアンス方針や行動規範を「知らない」との声
「自社のコンプライアンス方針や行動規範を知っていますか。(単一回答)」と聞いたところ、最も多かった回答は「いいえ(知らない)」で46.6%、次いで「はい(入社時に説明を受けた)」が20.1%、「はい(存在は知っているが、内容は確認したことがない)」が19.6%、「はい(社内ポータルサイトなどで定期的に確認している)」が13.7%という結果となりました。

回答数725件
- いいえ(知らない):46.6%
- はい(入社時に説明を受けた):20.1%
- はい(存在は知っているが、内容は確認したことがない):19.6%
- はい(社内ポータルサイトなどで定期的に確認している):13.7%
Q6. 自社のコンプライアンスリスク、約半数(48.9%)が「理解していない」
「自社におけるコンプライアンス違反が、どのようなリスクに繋がるか理解していますか。(単一回答)」と聞いたところ、最も多かった回答は「はい(理解しているが、日々の業務で意識することは少ない)」で33.2%でした。次いで「いいえ(あまり理解していない)」が24.8%、「いいえ(全く理解していない)」が24.1%、「はい(理解し、日々の業務で意識している)」が17.8%という結果となりました。

回答数725件
- はい(理解しているが、日々の業務で意識することは少ない):33.2%
- いいえ(あまり理解していない):24.8%
- いいえ(全く理解していない):24.1%
- はい(理解し、日々の業務で意識している):17.8%
Q7. 自社でコンプライアンスを重視する文化が “根付いていない” と思っているのは45.4%
「自社では、コンプライアンスを重視する文化が根付いていると思いますか。(単一回答)」と聞いたところ、最も多かった回答は「いいえ」で45.4%でした。次いで、「どちらとも言えない」が38.6%、「はい」が16.0%という結果となりました。

回答数725件
- いいえ:45.4%
- どちらとも言えない:38.6%
- はい:16.0%
Q8. 63.0%が、自社の経営層および上司はコンプライアンスを重視して “行動していない” と感じている
「上司や経営層は、コンプライアンスを重視して行動していると感じますか。(単一回答)」と聞いたところ、「いいえ」が63.0%、「はい」が37.0%という結果となりました。

回答数725件
- いいえ:63.0%
- はい:37.0%
Q9. 仕事の多忙さ、69.2%がルール違反をした経験、もしくは見逃した経験あり。51~100名規模では8割超(81.8%)
「仕事で多忙さやプレッシャーを感じていると、ついルール違反をしてしまう、もしくは見逃してしまった… そんな経験はありませんか。(単一回答)」と聞いたところ、「ほとんどない」が40.8%、「全くない」が30.8%、「時々ある」が24.1%、「頻繁にある」が4.3%という結果となりました。

回答数725件
- ほとんどない:40.8%
- 全くない:30.8%
- 時々ある:24.1%
- 頻繁にある:4.3%
さらに、企業規模別に実態を見てみると、「経験あり(ほとんどない、時々ある、頻繁にある)」と答えた割合に乖離が見られました。
51~100名の企業規模では81.8%が「経験あり(ほとんどない、時々ある、頻繁にある)」、2,001名以上の企業規模では63.9%が「経験あり(ほとんどない、時々ある、頻繁にある)」と回答しました。
両者間で17.9ポイントの乖離が見られ、企業規模が大きいほど、ルール違反の経験がないと回答する割合が高い傾向が示されました。

回答数99件 ※企業規模:51〜100名
- ほほとんどない:52.5%
- 時々ある:27.3%
- 全くない:18.2%
- 頻繁にある:2.0%
回答数108件 ※企業規模:2,001名以上
- ほとんどない:42.6%
- 全くない:36.1%
- 時々ある:19.4%
- 頻繁にある:1.9%
まとめ
企業のコンプライアンス意識向上が重要な課題となる中、当社は従業員725名を対象に、コンプライアンス違反に関する意識調査を実施しました。
調査の結果、企業の不祥事に「関心がない(あまり関心がない、全く関心がない)」と答えた従業員が半数(50.6%)を超え、特に中小企業(企業規模100名以下)においてその傾向が顕著であることが明らかになりました。
従業員が考える最も深刻な問題は「コンプライアンス意識の欠如」であるものの、昨今の企業の不祥事を受けても7割以上(74.6%)の従業員が自社のコンプライアンスに関する意識に変化がないと回答しました。
コンプライアンスを完全に理解している従業員はわずか7.6%に留まり、多くの従業員が詳細な部分に不安を抱えています。また、半数近く(46.6%)の従業員が自社のコンプライアンス方針や行動規範を「知らない」と回答し、自社に関わるリスクを理解していない実態が明らかになりました。さらに、半数近く(45.4%)の従業員が自社にコンプライアンスを重視する文化が根付いていないと感じ、6割以上(63.0%)の従業員が経営層や上司がコンプライアンスを重視していないと回答しています。
約7割(69.2%)の従業員が、仕事の多忙さやプレッシャーを感じる状況下で、ルール違反をした経験、もしくは見逃した経験を持っていることが判明しました。
これらの結果から、多くの企業で従業員のコンプライアンス意識が低い水準に留まり、情報提供や教育体制が不十分であることが示唆されました。企業は従業員一人ひとりの意識を高め、組織全体で健全な文化を醸成するための具体的な対策を講じる必要があることが分かりました。
調査結果は、以上となります。
調査背景
近年、企業のコンプライアンス違反が社会問題化し、企業の信頼を大きく揺るがす事例が後を絶ちません。このような状況下において、企業には法令遵守はもちろんのこと、従業員一人ひとりの高い倫理観と責任感が求められています。
株式会社KiteRaは、「安心して働ける世界をつくる」をミッションに掲げ、社内規程DXサービスを提供しています。従業員が安心して働ける環境は、企業の持続的な成長に不可欠です。そこで、企業が健全な組織文化を醸成し、従業員が安心して働ける環境構築を支援するため、従業員のコンプライアンス意識に関する実態調査を実施しました。
本調査では、企業のコンプライアンス違反に対する従業員の意識や認識の実態を明らかにするとともに、企業規模別の傾向を分析しました。調査結果を通じて、従業員が抱えるリアルな課題を可視化し、企業が組織全体でコンプライアンス意識向上に取り組む必要性を提示します。
なお、本調査結果は、3回にわたり、毎週木曜日にテーマを変えてプレスリリースとして公開いたします。第一回となる今回は、「コンプライアンス意識に関する実態」について発表します。続く第二回では、「コンプライアンス違反に関する実態」に焦点を当て、具体的な違反事例や報告体制について調査しました。そして第三回では、「内部通報制度(ホットライン)」や「コンプライアンス研修・教育」の実態について調査した結果を発表いたします。
本調査結果が、企業経営者、人事担当者だけでなく、従業員一人ひとりがコンプライアンスを「自分ごと」として捉え、組織全体で課題解決に取り組むきっかけとなれば幸いです。
調査概要
調査名:従業員のコンプライアンス違反に関する意識調査
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2025年3月10日
有効回答:勤務先で「コンプライアンス対応業務」を担当しているかという質問に対し、「担当していない」と回答した20~60歳までの従業員725名
調査企画:株式会社KiteRa
補足:構成比は小数点第2位を四捨五入
\大事になる前に/ ガバナンスを整えるには社内規程から
企業を取り巻くリスクは多様化しており、社内規程の不備は重大な経営課題に発展しかねません。残業・解雇トラブル、横領・不正経費、不適切SNS、ハラスメントなど、多岐にわたるリスクが企業価値を毀損し、事業機会を損失させる要因となります。
社内規程DXサービス「KiteRa Biz」は、社内規程の作成・編集・管理・周知・申請をクラウド上で一元管理することで、企業のコンプライアンス遵守を徹底します。法改正への効率的な対応、従業員への周知徹底などの機能により、企業のガバナンス強化を強力にサポートします。 「リスクを未然に防ぎ、健全な企業運営を実現したい」「社内規程管理の効率化とガバナンス強化を両立させたい」とお考えの経営層およびリスク管理・コンプライアンス担当者の方へ、下記より「KiteRa Biz」の資料をご覧ください。
社内規程DXサービス
「KiteRa Biz」について
「KiteRa Biz」は社内規程や労使協定書の編集・管理のDX化を通じて、コーポレートガバナンスや内部統制の実行性を高め、積極的な企業経営の後押しとなる基盤作りと本質的な企業価値の向上をサポートします。

サービス名:KiteRa Biz(キテラビズ)
URL:https://kitera-cloud.jp/biz/
提供開始:2022年7月
株式会社KiteRaについて
「安心して働ける世界をつくる」をミッションに掲げ、安心して働くためのルール(仕組み)である社内規程をテクノロジーの力で簡単に正しく運用できる社内規程DXサービス、企業向けの「KiteRa Biz」と社労士向けの「KiteRa Pro」を展開しています。今後も社内規程を通じて誰もが安心して働くことのできる世界の実現を目指します。
名称 | 株式会社KiteRa |
所在地 | 東京都港区北青山1-2-3 青山ビル7階 |
代表者 | 代表取締役CEO 植松隆史 |
設立 | 2019年4月1日 |
事業内容 | 社内規程クラウド「KiteRa」の企画・開発・運営 |
コーポレートサイト | https://www.kitera.co.jp/ |
主要サービス | 企業向けSaaS「KiteRa Biz」https://kitera-cloud.jp/biz/ 社労士向けSaaS「KiteRa Pro」https://kitera-cloud.jp/pro/ |