TOP労務コラム労働者が101人以上の事業主に新たに義務付けられる女性活躍推進法に基づく取組とは?

労働者が101人以上の事業主に新たに義務付けられる女性活躍推進法に基づく取組とは?

KiteLab 編集部
2022.03.13

2019年5月29日、女性活躍推進法等の一部を改正する法律が成立し、2019年6月5日に公布されました。この改正に基づき、2022年4月1日から常時雇用する労働者が101人以上の事業主に新たに義務付けられる取組についてご紹介します。

女性活躍推進法とは?

正式名称

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律

法律の目的

女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進し、もって男女の人権が尊重され、かつ、急速な少子高齢化の進展、国民の需要の多様化その他の社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現すること。

事業主に求められる取り組み

1.一般事業主行動計画の策定と届出

ステップ1自社の女性の活躍状況を、基礎項目に基づいて把握し、課題を分析する
ステップ2一般事業主行動計画を策定し、社内周知と外部公表を行う
ステップ3一般事業主行動計画を策定したことを都道府県労働局に届け出る

2.女性の活躍に関する情報の公表

2022年4月1日から、上記の取組が、常時雇用する労働者が101人以上の事業主に対し、義務化されます。

1.一般事業主行動計画の策定と届出

ステップ1. 自社の女性の活躍状況を、基礎項目に基づいて把握し、課題を分析する

⾏動計画の策定にあたっては、自社の⼥性の活躍に関する状況に関して、状況把握 、課題分析を⾏い、その結果を勘案して定める必要があります。

【基礎項目】必ず把握すべき項目

  1. 採用した労働者に占める⼥性労働者の割合 (区)
  2. 男⼥の平均継続勤務年数の差異(区)
  3. 労働者の各⽉ごとの平均残業時間数等の労働時間(健康管理時間)の状況
  4. 管理職に占める⼥性労働者の割合

※(区)の表示のある項目は、雇用管理区分(職種、資格、雇用形態、就業形態等の労働者の区分)ごとに把握を行うことが必要です。
※基礎項目の状況把握、課題分析を行った結果、事業主にとって課題であると判断された事項については、選択項目(必要に応じて把握する項目)を活用することが原因の分析を深めるために有効です。選択項目の詳細は、パンフレットをご参考ください。

参考:パンフレット「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!

ステップ2. 一般事業主行動計画を策定し、社内周知と外部公表を行う

一般事業主行動計画の策定

ステップ1の状況把握、課題分析の結果を勘案し、⾏動計画を策定します。
⾏動計画には、(a)計画期間、(b)数値目標、(c)取組内容、(d)取組の実施時期 を盛り込むことが必要です。常時雇用する労働者数300人以下の事業主が⾏動計画を策定する際は、数値目標を1つ以上定める必要があります。

(a)計画期間
2025年度(令和7年度)までの期間で、各事業主の実情に応じておおむね2年間から5年間に区切り、定期的に⾏動計画の進捗を検証しながら、改定を⾏います。

(b)数値目標
常時雇用する労働者数300人以下の事業主が⾏動計画を策定する際は、数値目標を1つ以上定める必要があります。

(c)取組内容・(d)取組の実施時期
数値目標の設定を⾏ったものについて、その数値目標の達成に向けてどのような取り組みを⾏うべきか検討します。

[例] 目標:技術職の⼥性を2人から5人以上にする。
取組内容:⼥性社員の事務職から技術職への転換を促す。
取組の実施時期:
令和2年 4⽉〜     事務職から技術職への転換を希望する⼥性を対象とした職種転換制度の導⼊の検討を開始
令和2年 10⽉〜  技術職への転換希望調査開始
令和3年 4⽉〜    技術職への転換希望者に対する研修開始

行動計画の社内周知と外部公表

◆社内周知
策定した⾏動計画は、正社員でない者も含め、全ての労働者に周知する必要があります。

【周知の方法】
事業所の⾒やすい場所への掲示、電子メールでの送付、
イントラネット(企業内ネットワーク)への掲載、書⾯での配布など

◆外部公表
策定した⾏動計画は、自社ホームページへの掲載等により、外部公表する必要があります。

ステップ3. 一般事業主行動計画を策定したことを都道府県労働局に届け出る

⾏動計画を策定したら、電子申請、郵送又は持参により管轄の都道府県労働局に届け出が必要となります。

参考:「一般事業主行動計画策定・変更届の届出参考様式
   「次世代法に基づく行動計画と一体的に策定、届出をする場合の届出様式

2.女性の活躍に関する情報の公表

自社の女性の活躍に関する状況について、以下の項目から1項目以上選択し、求職者等が簡単に閲覧できるように情報公表する必要があります。

公表方法
厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」や自社ホームページ等にて、学生をはじめとした求職者等が用意に閲覧できるように公表します。

公表のサイクル
・おおむね年1回以上更新し、いつの情報なのかわかるように更新時点を明記。
・その時点に得られる最新の数値を公表。

▼参考

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女性の活躍推進企業データベース

~働く場所は、わたしが見つける~ 女性活躍推進法に基づき、全国の企業が女性の活躍状況に関する情報・行動計画を公表しています。

まとめ

2022年4月1日から常時雇用する労働者が101人以上の事業主について、ご紹介した取組が必要となります。特に、常時雇用する労働者が101人以上300人未満の事業主については、2022年4月1日までに一般事業主行動計画の策定と届出等が必要です。

厚生労働省では、行動計画策定支援ツール等も公表しておりますので、利用されてみてはいかがでしょうか。
参考▼

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女性の活躍推進企業データベース

~働く場所は、わたしが見つける~ 女性活躍推進法に基づき、全国の企業が女性の活躍状況に関する情報・行動計画を公表しています。

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