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キャリアコンサルティング制度を活用しましょう

KiteLab 編集部
2022.10.10

組織の成長過程において人材開発、組織開発が欠かせませんが、具体的な取り組みのうちの一つとして、キャリアコンサルティング制度をご紹介いたします。
日本の少子高齢化、経済のグローバル化が進み、M&Aやリストラクチャリング(企業が収益構造の改善を図るために事業を再構築すること)等、雇用環境が大きく変化しています。
企業のさらなる発展・成長のためには従業員の定着率を高め、生産性を向上させることが重要です。

キャリアコンサルティングとは

厚生労働省のホームページによると、キャリアコンサルティングは、「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」とされています。(職業能力開発促進法2条第5項)

同ページでは「キャリアとは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すもの。『職業生涯』や『職務経歴』などと訳される」というように職業・仕事に関するものとされていますが、キャリアコンサルティング関連の団体によっては、より広範囲に「仕事のみならず、それ以外の人生の役割を含めたトータルな捉え方」とする見方もあります。

後者のように捉えると、「すべての人が当事者となる」ことがお分かりいただけるかと思います。

参考:厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」

キャリアコンサルティングを行うために

キャリアコンサルタントとは

キャリアコンサルティングは専門的な知識と経験が必要です。「キャリアコンサルタント」は名称独占資格のため、実務経験を含めた一定の要件を満たしていないとキャリアコンサルタントを名乗ることはできません。(職業能力開発促進法30条の3)

また、キャリアコンサルタント資格は登録制で5年ごとに更新を受けますが、更新を受けるためには講習(一部実務実績に置き換え可能)を受ける必要があります。

キャリアコンサルティングの流れ

どんなときにキャリアコンサルティングが有効か

就職活動中の学生、仕事を探している求職者の方に限らず、企業で働く方々にも有意義な制度です。
具体的には、次のようなケースが想定されます。

  • 新入社員の不安を取り除き、定着を図る
  • 入社後、一定期間ごと(1年、3年、5年等)に実施する
  • 育児休業や介護休業を取得する際や復帰後
  • 転勤や配置転換(部署移動)や昇進等、変化があったとき
  • 再雇用やセカンドキャリアへの支援

セルフ・キャリアドックについて

セルフ・キャリアドックとは、「企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、体系的・定期的に実施することを通して、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取り組み(企業内における仕組み)」で、厚生労働省が商標登録しています。

従来は組織の視点に基づくスキルや知識の習得が重視されてきましたが、セルフ・キャリアドックではそれらに加えて、従業員一人ひとりが主体性を発揮することを尊重するものとなっています。

セルフ・キャリアドック導入については、セルフ・キャリアドック導入支援拠点が全国5カ所(札幌・東京・名古屋・大阪・福岡)にあります。

助成金との関連性

キャリアコンサルティングやセルフ・キャリアドックの導入に対し、厚生労働省の助成金対象となる可能性があります。助成金の支給要件は厚生労働省のホームページに記載があります。

参考:厚生労働省 セルフ・キャリアドック導入支援の拠点を全国5か所に開設しました
参考:リーフレット「セルフ・キャリアドックで会社を元気にしましょう」

社内規定の整備

キャリアコンサルティングの機会の確保を、セルフ・キャリアドックの実施にて果たすことを社内の制度として制定し、就業規則等に明示することが重要です。

まとめ

この記事では、人材開発、組織開発の具体的な取り組みとして、キャリアコンサルティング制度について紹介しました。キャリアコンサルティングを活用し、個々の従業員の主体性を高め、組織を発展させましょう。

この記事を書いた人

KiteLab 編集部
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株式会社KiteRaの中の人

https://www.kitera.co.jp/

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