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2022/03/13
労働基準法

監督署が行う書類送検とは①

社会保険労務士の皆さまにとって、労働基準監督署が、法人や責任者を検察庁に書類送検をしたとの報道は、注目すべき内容でしょう。今回は、監督署が行う書類送検や刑事事件で行われる捜査の進め方を解説します。

1.発端

労働基準監督署は通常、行政指導により企業を是正指導しますが、一定の場合に、刑事事件に切りかえて司法処分とするケースがあります。その発端となるべき事項として、
①行政指導等により、重大悪質と判断した場合で、かつ、一定の事由
②告訴告発
によるものです。

①行政指導により、重大悪質と判断した場合で、かつ、一定の事由

労働基準監督署は、「地方労働行政運営方針」と呼ばれる通達に基づき、行政指導の対象となる事業場をリスト化します。対象となった事業場において、法違反の様態が重大悪質と判断されるケースや、是正状況が芳しくなく、「最終是正督促状」を交付してもなお、是正がされない場合、行政指導による是正指導ではなく、検察官等に刑事的な処罰を求めるため、司法事件として捜査をします(労働基準法第102条)。

②告訴告発

告訴とは、被害を受けた労働者が、捜査機関に対し、犯罪事実の申告をして訴追を求めることをいいます。告発とは、被害者以外の第三者が、同様に、捜査機関に対し、犯罪事実の申告をして訴追を求めるものです。
(刑事訴訟法第230条・同法第239条)

 (1)告訴

告訴の事例として、次のようなものがあります。

使用者が、労働者に対して、支払うべき時間外手当等を支払わず、労働基準法第104条の規定により、労働基準監督署へ申告することがあります。通常は、労働基準監督官が、使用者に対して、行政指導により是正勧告及び是正指導を行うところ、使用者が是正に協力的でなく、任意による行政指導では解決不能なケースがあります。
その際に、労働者が行政指導を求めず、刑事罰的な処罰を求め、告訴を行った場合に、司法捜査へと切り替わることがあります。

(2)告発

告発の事例として、次のようなものがあります。
使用者が、労働者に違法な長時間労働を行わせ、長時間労働をさせられた労働者が、地域ユニオンに相談をする場合があります。その際、地域ユニオンの使用者への対応策として、労働基準監督署へ、行政指導による是正指導でなく、刑事罰を求めて告発を行うことがあります。

次回は、労働基準監督署が行う捜査手法について解説いたします。

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